2022年産の生産量
前年産より減少。需要減を前提とした供給調整が、後の余裕を小さくしました。
SMILE LOG5kg平均4,000円超は、一つの原因で起きたものではありません。生産、需要、在庫、流通、そして政府・農林水産大臣の判断を分けて、中小・個人飲食店の仕入れ目線で整理します。
スーパーの5kg平均販売価格は、2025年9月初旬に4,155円まで上昇しました。2026年9月初旬は3,003円まで下がったものの、2022~23年の2,000円前後と比べると、なお約1,000円高い水準です。
全国POSデータ・税込。2025年と2026年は9月初旬の週次値。
出典:農林水産省 2022年12月POS価格、2024年12月価格(前年同月差を含む)、スーパー販売価格の推移。2023年値は2024年値3,485円から公表前年同月差1,472円を差し引いて算出。
供給の余裕が少ない状態に、想定を上回る需要、集荷競争、情報不足、備蓄米放出の遅れが重なりました。店頭価格は、生産量だけでなく「在庫を誰がどれだけ持ち、いつ市場へ出すか」にも左右されます。
前年産より減少。需要減を前提とした供給調整が、後の余裕を小さくしました。
高温等の影響で玄米から取れる精米量が低下。玄米数量だけでは実際の供給力を読めません。
不足感と集荷競争が流通価格へ波及。9月以降も高い水準が続きました。
人口減少などから需要が毎年減るとの見立てが続きました。その前提より需要が強くなると、余裕の少ない需給が一気に締まります。
2023年産は品質・歩留まりが悪化。玄米の収穫量が同程度でも、商品になる精米は少なくなります。
従来の見込み以上に需要が増加。予測の修正が遅れ、在庫減少を早期に政策へ反映できませんでした。
確保を急ぐ集荷業者・卸の買いが強まり、相対取引価格が上昇。小売と業務用の双方に波及しました。
2024年夏は市場影響を理由に放出を見送り。2025年の入札放出も大手中心で、末端まで届くのに時間を要しました。
棚の欠品や情報不足が「先に確保したい」という行動を強め、需給のひっ迫感を増幅しました。
農林水産大臣の判断と、政府・農林水産省が継続してきた制度運営を時期ごとに整理します。
生産量は前年比31万t減。飲食店への影響:当時の仕入価格への影響は限定的でしたが、その後に需要が上振れした際の供給余力が小さくなりました。飲食店目線:過剰在庫を抑える運営には合理性がある一方、需要の変化に備える余裕が不足していました。
玄米の収穫量だけでは見えない実質供給の減少が発生。飲食店への影響:商品になる精米量が減り、品質のばらつきや卸価格の上昇につながりました。飲食店目線:収穫量だけでなく、精米歩留まりと在庫を含めた早い需給把握が必要でした。
新米の流通で品薄が解消するとの見方から、市場への影響を理由に放出しませんでした。飲食店への影響:仕入先の欠品や価格改定が続き、小規模店ほど代替調達が難しくなりました。飲食店目線:新米を待つだけでなく、在庫と流通の実態を早く示し、必要に応じて供給する判断が必要でした。
参加者が大手集荷業者に限られ、配送に27~72日を要し、5月初旬でも下流への到達は約1割でした。飲食店への影響:放出量が増えても、中小卸や店舗への価格効果はすぐに届きませんでした。飲食店目線:量の確保だけでなく、末端まで届く経路と所要日数を含めた制度設計が必要でした。
固定価格で小売等へ直接売り渡し、対象を外食へ拡大しました。飲食店への影響:入札より安く早い調達経路が生まれた一方、事務・物流の集中やキャンセルで利用できる店に差が出ました。飲食店目線:流通を短くする方向は有効ですが、地域卸や中小店まで実際に届く運用能力が欠かせません。
MA(ミニマム・アクセス)米は、WTO合意に基づき国が毎年一定量を輸入する米です。その調達前倒しや米国産調達増の可能性を示し、食糧法改正で在庫報告強化と需要急増時の備蓄活用を進めました。飲食店への影響:輸入米を含む代替調達の選択肢が広がる一方、品質・用途・納入価格の確認が必要になりました。飲食店目線:供給の選択肢を増やすことは有効ですが、国内生産基盤との両立と価格形成の透明性が必要です。
就任直後のため、政策による結果はまだ確認できません。飲食店への影響:現時点では新たな価格・調達効果は出ていません。飲食店目線:需要・在庫の早い公表と、農家から実需者まで届く供給策が実行されるかを確認する段階です。
主な出典:農林水産省 令和7年度 食料・農業・農村白書 特集、政府備蓄米の運用検証資料、坂本農相会見、小泉農相会見、衆議院 簗和生議員プロフィール。
炊飯増加率、盛付量、欠け・炊きムラ、保温廃棄まで含めて算出します。安い米でも提供量が増えたり廃棄が出れば、差額は縮みます。
農家が安心して作り、飲食店が心を込めて炊き、
お客さまがおいしく食べて、みんなが笑顔になる。
その循環を続けられる政策と商売を、数字から考えます。